【ラスボス日誌②】エゴという「魔王」が深夜のオフィスで悟るまで
マインドフルネス意識の変容

【ラスボス日誌②】エゴという「魔王」が深夜のオフィスで悟るまで

【ラスボス日誌②】エゴという「魔王」が深夜のオフィスで悟るまで

前回の記事で、私はAI(Opalとn8n)を使って「何もしない世界征服」を成し遂げた。 だが、玉座でワインを飲んでいる私の心に、奇妙な感情が去来した。

「……暇だ」

そう、苦しみはドラマであり、虚しさはドラマのないことに対するエゴの恐怖だ。 私は気づいてしまったのだ。私自身こそが、倒されるべき「ラスボス(自我)」だったということに。


ラスボス(自我)の正体

ゲームのラスボスを思い出してほしい。彼らは常に何かを恐れ、何かを渇望している。 「勇者に倒される恐怖(Push away)」と「世界を支配したい欲望(Grasp)」。 この2つのガソリンがないと、ラスボスは存在意義を失ってしまう。

私がAIで自由を手に入れた瞬間、私の内なるラスボス(エゴ)は叫んだ。 「おい! 暇だぞ! もっと仕事をくれ! 達成感をくれ! トラブルをくれ!」

そう、エゴにとって「平和(Peace)」は「死」と同義なのだ。

アジャシャンティの「羊の門」

そんな時、現代の賢者アジャシャンティの動画を見た。 彼は言う。「羊の門をくぐるには、全ての荷物を捨てなければならない」と。

荷物とは何か? それは「私がやっている(Doing)」という所有権だ。 「俺がシステムを作った」「俺が成功した」「俺が悟った」。 これら全ての「俺が(I am the Doer)」という鎧を脱ぎ捨てない限り、その門は通れない。

Don't Push Away, Don't Grasp

「拒絶するな、掴むな」 これが、暴れるラスボス(エゴ)を鎮める唯一の呪文だ。

  • Grasp(掴む): 「もっとAIで効率化してやる!」という興奮。
  • Push away(拒絶): 「こんな虚しい毎日は嫌だ!」という抵抗。

これらに反応せず、ただ「あ、ラスボスがまた騒いでるな」とニヤニヤ眺める。 熟成された赤ワインを飲みながら、頭の中で暴れる魔王の断末魔をBGMにするのだ。

「虚しいよー! 退屈だよー!」 「よしよし、虚しいんだな。存分に虚しがれ」

結論:NoにもYesを

「死ぬ前に死ね(Die before you die)」とは、肉体の死ではない。 「物語の主人公(勇者)であろうとする自分」と「物語を支配する魔王(ラスボス)であろうとする自分」の両方を、諦めることだ。

諦めた後には何が残るのか? ただの背景。スクリーン。 「腹が減ったら食べ、眠くなったら寝る」という、動物的なまでのシンプルさ。

どうやら、ここが本当のラストダンジョンの最奥らしい。 そこには財宝も魔王もいなかった。 あったのは、ただの「静寂」と、飲みかけのワインだけだった。

(完)


Writer: Iwasaki Naisou (Just Being)

#哲学#中道#アジャシャンティ
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