はじめに
リリカラ。
名前の由来は「百合の花(Lily)で空間を彩る(Color)」。
100年以上の歴史を持つ、日本を代表する壁紙メーカーだ。
グッドデザイン賞を壁紙で初めて受賞したのも、リリカラ。
この記事では、リリカラの壁紙を徹底解説する。
俺は内装職人だ。リリカラの壁紙を何百回と貼ってきた。
特に「バイオシェル壁紙」(ホタテ貝殻の壁紙)は、俺のサイトでも紹介して反響があった製品だ。
カタログには書いていない「現場の真実」を伝える。
第1章:リリカラの3つのカタログを理解する
リリカラの住宅向け壁紙には、主に3つのカタログがある。
| カタログ | 価格帯 | ひとことで言うと | |----------|--------|------------------| | LIGHT | 高め(1000番クロス) | 上質感を追求。洗練派に | | V-wall | 高め(1000番クロス) | 住宅特化。キャラクターコラボも | | ベース | リーズナブル | コスパ重視。機能性も充実 |
LIGHT(ライト)
一言: 上質な空間を作りたい人へ。
特徴:
- 「洗練されたデザインとテクスチャー」がコンセプト
- 住宅だけでなく、商業施設やオフィスにも対応
- 最新トレンド(クワイエットラグジュアリー、レトロ、オーガニックモダン)を反映
- LIGHT 2025-2028は全品不燃材料認定
- バイオシェル壁紙もこのカタログに収録
向いている人:
- デザイナーズマンションに住んでいる
- 店舗やオフィスの内装も考えている
- 「上質」「洗練」という言葉に惹かれる
職人目線: LIGHTは「品がある」製品が多い。迷ったときに選ぶと外さない。
V-wall(ブイウォール)
一言: 住宅に特化したい人へ。
特徴:
- 戸建て・マンション・新築・リフォームすべてに対応
- miffyやウィリアム・モリスとのコラボ壁紙がある
- 北欧風、ヘリンボーン木目、レンガ調など柄が豊富
- 「リフォームお奨め」マーク付き商品あり(厚手で下地を隠す)
- 「Relax」がテーマ
向いている人:
- 子供部屋にキャラクターを使いたい
- 家族でくつろげる空間を作りたい
- 柄物を積極的に使いたい
職人目線: V-wallはパターン柄が豊富。「可愛い」「温かい」空間を作るならこれ。
ベース(BASE)
一言: コスパと機能性を両立したい人へ。
特徴:
- リリカラの中で最もリーズナブル
- 「ディスカバリー(発見)」がコンセプト
- ニュアンスカラーが豊富
- 「アンチダスト」などの新機能を先行搭載
- トレンドのパターン柄も収録
向いている人:
- 予算を抑えたい
- 賃貸物件のオーナー
- でも「ただ安いだけ」は嫌
職人目線: ベースは「安かろう悪かろう」ではない。普通の住宅ならこれで十分。
第2章:リリカラの機能性を理解する
リリカラの壁紙には様々な機能がある。
機能一覧
| 機能 | 意味 | おすすめ場所 | |------|------|-------------| | 撥水トップコート | 汚れがつきにくく拭き取りやすい + 表面強度UP | キッチン、洗面所、トイレ | | 軽量・耐クラック | ひび割れしにくい | リフォーム全般 | | 表面強度アップ | 傷に強い | 廊下、玄関、子供部屋 | | 防かび・抗菌 | 清潔を保つ | 水回り全般 | | アンチダスト | ホコリがつきにくい | リビング、寝室 | | 消臭 | 匂いを吸着 | トイレ、ペット部屋 | | 抗ウイルス | ウイルスの数を減らす | 玄関、リビング |
リリカラ独自の強み
撥水トップコートはリリカラの看板機能。
「汚れにくい」「拭き取りやすい」「表面も強い」の三拍子が揃っている。
水回りに使うなら、この機能があるかどうかをまず確認するといい。
第3章:バイオシェル壁紙(ホタテ壁紙)の真実
どういう製品か
バイオシェル壁紙は、ホタテの貝殻を粉末にして壁紙の原料に使った製品。
2025年グッドデザイン賞を受賞している。
なぜホタテなのか
北海道や青森では、年間約40万トンのホタテ貝殻が廃棄されている。
埋め立てれば土壌を汚染する。 放置すれば悪臭が出る。
その「ゴミ」を壁紙に変えた。
これが「ゴミの中に光を見る」というイワサキ内装の哲学と完全に一致する。
だから俺はこの製品を積極的に紹介している。
施工性はどうか
結論: 普通のビニール壁紙と変わらない。
見た目も普通。触った感じも普通。
「特別な施工技術が必要」ということはない。
ただし、以下の機能がついている:
- トップコート(汚れに強い)
- 抗菌
- 防カビ
- 不燃・準不燃
環境に良いだけでなく、機能性も備えている。
価格はどうか
1000番クロスの価格帯なので、量産クロス(SPやベースの一部)よりは高い。
でも「環境配慮」「グッドデザイン賞受賞」という付加価値を考えれば、妥当。
環境意識の高い施主への提案には最適。
第4章:2025年 人気トレンド
人気の傾向
- グレージュ — 安定した人気。グレーとベージュの中間色
- 石目調・コンクリート調 — ひび割れのリアルな表現が人気
- 木目調 — ナチュラルインテリアに合わせやすい
- もやもやクロス — 色むらが特徴。さりげないおしゃれ感
注目の新商品
| カタログ | 発売 | 特徴 | |----------|------|------| | LIGHT 2025-2028 | 2025年5月 | 全点不燃、バイオシェル収録 | | XR クロス 2025-2027 | 2025年6月 | リフォーム特化、アンチダスト | | XB クロス 2025-2028 | 2025年6月 | 全点に撥水トップコート+抗菌+防かび |
第5章:部屋別 おすすめの選び方
リビング
| 条件 | おすすめ | |------|---------| | モダンにしたい | コンクリート調、石目調 | | ナチュラルにしたい | 木目調、リネンライク | | 北欧テイスト | もやもやクロス、パステルカラー | | 環境に配慮したい | バイオシェル壁紙 |
寝室
| 条件 | おすすめ | |------|---------| | 落ち着きたい | グレージュ、織物調 | | 高級感が欲しい | LIGHT カタログから選ぶ | | アレルギー対策 | 抗アレル機能付き |
トイレ
| 条件 | おすすめ | |------|---------| | 清潔感重視 | 撥水トップコート + 抗菌 | | 個性を出したい | V-wallの柄物 | | 機能重視 | 消臭 + 抗菌 + 撥水 |
子供部屋
| 条件 | おすすめ | |------|---------| | キャラクターが欲しい | V-wallのmiffy コラボ | | 傷対策 | 表面強度アップ | | 汚れ対策 | 撥水トップコート |
本音: 子供部屋にはベースで十分。高い壁紙は傷つく前提で選ぶ。
第6章:サンゲツとリリカラの違い
よく聞かれる質問に答える。
| 項目 | サンゲツ | リリカラ | |------|---------|---------| | 規模 | 業界最大手 | 老舗メーカー | | カタログ数 | 多い | 絞り込まれている | | トレンド反映 | 早い | 上質さ重視 | | 独自性 | 総合力 | バイオシェル壁紙、デザイン賞 | | 施工性 | 安定 | 安定 |
結論: どちらが「良い」ではない。案件によって使い分ける。
- 選択肢を広く見たい → サンゲツ
- 上質さ・環境配慮を打ち出したい → リリカラ
第7章:よくある失敗と対策
失敗1:サンプルと実物の色が違う
対策: 大判サンプルを自宅に持ち帰り、朝・昼・夜で確認。
失敗2:柄物が目立たない
対策: アクセントクロスはベースとのコントラストを意識。
失敗3:リフォームで下地が透けた
対策: 「リフォームお奨め」マーク付きを選ぶ。または厚手の製品を選ぶ。
まとめ
リリカラの壁紙を選ぶための3ステップ:
-
カタログを決める
- 上質さ重視 → LIGHT
- 住宅特化・柄物 → V-wall
- コスパ重視 → ベース
-
機能を決める
- 水回り → 撥水トップコート
- リフォーム → 軽量・耐クラック
- 環境配慮 → バイオシェル壁紙
-
大判サンプルで確認する
- 自宅で、朝・昼・夜で見る
- 家具との相性も確認
【追加】2025-2026 新製品ロードマップ
ここからは、2026年を見据えたリリカラの動きを解説する。
2025年5月発売:LIGHT 2025-2028
リリカラの看板カタログがリニューアル。
コンセプト——
「Borderless(ボーダレス)」
住宅やオフィス、商業施設など、用途や空間の垣根を越えて提案される壁紙を収録。
特徴——
- 全品不燃材料認定
- バイオシェル壁紙を収録
- 機能性壁紙を強化
メイン企画「+1(プラスワン)」
3つのコレクションで構成——
mood
空間の雰囲気(ムード)を作るデザイン壁紙。
sustainable
バイオシェル壁紙を含む、環境配慮型壁紙。
rare breed
他にはない個性的なデザイン。差別化を狙う人向け。
2024年5月発売:V-wall 2024-2027
住宅特化のカタログ。
特徴——
- miffyやウィリアム・モリスとのコラボ壁紙
- 新機能「アンチダスト」の準不燃壁紙
- 「リフォームお奨め」マーク付き(厚手で下地を隠す)
2025年6月発売:XR クロス 2025-2027
リフォーム特化カタログ。
特徴——
- 新機能「アンチダスト」を搭載
- 下地の状態が悪い現場向け
- 施工しやすさを重視
2025年6月発売:XB クロス 2025-2028
全点に撥水トップコート + 抗菌 + 防かび機能。
水回りに特化した安心設計。
2026年:New Curtain Collection 2026
JAPANTEX 2025で出展されたカーテン新コレクション。
リリカラは壁紙だけじゃない。カーテンでも「心を彩る」姿勢を見せている。
【追加】バイオシェル壁紙——技術の深掘り
バイオシェル壁紙について、もっと詳しく解説する。
なぜホタテなのか
北海道・青森では、年間約40万トンのホタテ貝殻が廃棄されている。
埋め立てれば土壌を汚染する。 放置すれば悪臭が出る。
その「産業廃棄物」を壁紙に変えた。
技術的な仕組み
ホタテの貝殻を粉末状にして、充填材の一部として再利用。
結果——
- 壁紙全体の**30%**にバイオマス原料を使用
- バイオマスマーク認定を取得
バイオマスマークとは
生物由来の資源(バイオマス)を利用した製品に付与されるマーク。
日本有機資源協会が認定している。
バイオシェル壁紙は、この認定を受けた数少ない壁紙だ。
2025年グッドデザイン賞受賞
2025年10月15日、バイオシェル壁紙は2025年度グッドデザイン賞を受賞した。
評価ポイント——
- 産業廃棄物の有効活用
- デザインと環境配慮の両立
- 新しい壁紙の価値を提案
機能性
環境に良いだけじゃない。機能性も備えている——
- トップコート:汚れに強い
- 抗菌:細菌の増殖を抑制
- 防カビ:カビの繁殖を抑制
- 不燃・準不燃:防火性能
施工性
結論:普通のビニール壁紙と変わらない。
見た目も普通。触った感じも普通。
「特別な施工技術が必要」ということはない。
価格
1000番クロスの価格帯なので、量産クロス(SPやベースの一部)よりは高い。
でも「環境配慮」「グッドデザイン賞受賞」という付加価値を考えれば、妥当。
環境意識の高い施主への提案には最適。
【追加】撥水トップコート——リリカラ独自技術の深掘り
撥水トップコートはリリカラの看板機能だ。
何がすごいのか
普通の「撥水」壁紙と違う点——
- 汚れがつきにくい
- 水滴を弾く
- 拭き取りやすい
- 表面強度もUP
この4つを同時に実現している。
なぜ表面が滑らかなのか
撥水トップコート加工された壁紙は、表面が滑らか。
結果——
- 施工時の糊の拭き取りが楽
- クライアントの掃除も楽
職人にとっても施主にとっても嬉しい。
おすすめの使用場所
- トイレ
- 洗面所
- キッチン周辺
- 子供部屋(汚れ対策)
水回りなら、撥水トップコートがあるかどうかをまず確認するといい。
SV規格適合
撥水トップコート付きの壁紙は、すべて「壁紙製品標準規格(SV規格)」に適合。
防カビ機能も標準で備わっている。
【追加】カーテン縫製工場——独自技術「すくい縫い」
リリカラは壁紙だけじゃない。
カーテンの縫製にも独自技術がある。
すくい縫いミシン
リリカラのカーテン縫製工場では、独特な「すくい縫い」のミシンを使用している。
その高い性能から、海外からの視察も訪れるほど。
品質へのこだわり
工場では——
- 機械化された工程
- 熟練した職人による手作業
- 厳格な品質チェック
が並行して行われている。
「効率」と「品質」を両立する姿勢が見える。
全国オンライン物流システム
リリカラは、製品の迅速かつ正確な配送を可能にする全国オンライン物流システムを整備している。
本社(東京都新宿区)から——
- 札幌、仙台、大阪、広島、福岡に支店
- 全国各地に多数の営業所
を展開。
「作るだけ」じゃなく「届ける」までを一貫して管理している。
【追加】環境と健康への取り組み
シックハウス対策
リリカラは、シックハウス対策に力を入れている。
具体的には——
- ホルムアルデヒドを低減する素材を使用
- 揮発性有機化合物(VOC)を低減
- 厳しい環境基準をクリア
F☆☆☆☆壁紙
JIS認証を取得したF☆☆☆☆壁紙を提供。
これは、ホルムアルデヒド放散量が最も少ないことを示す等級。
室内の空気質を向上させ、シックハウス症候群のリスクを軽減。
防火性能
取り扱いのある壁紙は、建築基準法施行令で定められた——
- 不燃
- 準不燃
- 難燃
の性能区分に応じた防火壁装材料として認定されている。
【追加】リリカラのIR情報——投資家視点で見る
職人目線だけじゃなく、経営視点でもリリカラを見てみる。
2024年12月期 連結決算(2025年2月13日発表)
| 指標 | 金額 | 前年比 | |------|------|--------| | 売上高 | 338億300万円 | +3.2% | | 営業利益 | 1億5,000万円 | -89.5% | | 経常利益 | 8,700万円 | -93.8% | | 純利益 | 6,100万円 | -93.4% |
売上は伸びたが、利益は激減。
なぜ利益が激減したのか
主な要因——
- インテリア事業での売上高減少
- 不動産投資開発事業でのセグメント損失
2024年は厳しい年だった。
2025年12月期 業績予想
| 指標 | 予想金額 | 前年比 | |------|----------|--------| | 売上高 | 368億円 | +8.9% | | 営業利益 | 10億円 | +563.9% | | 経常利益 | 9億円 | +931.3% | | 純利益 | 4億5,000万円 | +636.9% |
2025年はV字回復を目指している。
値上げの実施
リリカラは2025年12月より値上げを実施。
インテリア事業の回復を目指す。
また——
- スペースソリューション事業の拡大
- 不動産投資開発事業の拡大
にも注力する方針。
配当方針
一株あたり36円以上を維持。
中期経営計画の見直しは行わない方針。
サンゲツ・東リとの比較
| 会社 | 売上高 | 特徴 | |------|--------|------| | サンゲツ | 2,003億円 | 業界最大手 | | 東リ | 1,057億円 | 床材・技術志向 | | リリカラ | 338億円 | デザイン・環境配慮 |
規模ではサンゲツの約6分の1。
でも、リリカラには——
- バイオシェル壁紙(グッドデザイン賞)
- 撥水トップコート(独自技術)
- 上質なデザイン
という独自の価値がある。
【追加】会社概要と歴史
基本情報
正式名称:リリカラ株式会社
証券コード:9827(東証スタンダード)
本社:東京都新宿区
名前の由来
「百合の花(Lily)で空間を彩る(Color)」
この理念が、社名に込められている。
歴史
創業当初は襖紙や表装紙の製造をしていた。
住宅の洋風化に合わせて壁紙製造に参入。
現在では——
- 壁紙
- カーテン
- 床材
など、デザイン性、機能性、環境配慮を兼ね備えた多様なインテリア製品を提供している。
100年以上の歴史を持つ、日本を代表する壁紙メーカー。
最後に
リリカラは「心を彩る」と言っている。
その言葉通り、デザインへのこだわりが感じられるメーカーだ。
特にバイオシェル壁紙は、「ゴミを宝に変える」という発想が素晴らしい。
環境に良いことをしながら、空間も美しくなる。
これからの時代、こういう製品が選ばれるべきだと俺は思う。
サンゲツが「規模」で勝負するなら、 東リが「技術」で勝負するなら、 リリカラは「デザインと環境」で勝負している。
わからないことがあれば、聞いてくれ。
この記事はイワサキ内装の職人が書いた。 リリカラから金をもらっていない。 だから、本当のことを書いている。
——2025年12月30日(2026年展望を追加)