本体は日本語のコメディ。英語はおまけ。
ここには英単語が1つも出てこない。それでも、この番組で何が起きているかは全部わかる。毎晩どこかの外国人と喋って事故っている男の、事故だけを日本語で並べた。英語に興味が無くても読める。むしろ、そっちが本体だ。
8分間、この男の英語は完璧だった。読んでいたからだ。
**一夜13枚で番組記録を更新した。** 国名、都市名、県名、地区名、競技名、会社名。**第93夜の宿題は「大文字で始まる語の前では、口を開く前に手を止める」だった。48時間で、対象が増えている。この隊員は、名指しされるほど働きに出る。**
昨日教わった単語が、今日の口から出た。90夜かけて、初めてだった。
**15分前に町の名前へ配った4枚が、ここで足りなくなっている。** 同じ夜に、要らない所で4枚配り、要る所で4枚落とした。**この隊員は、毎晩ひとつ手前の駅で降りている。**
素面で入室し、AIに書かせた台本を読み上げた。読んでいる間だけ、英語が壊れなかった。
9万5千ドルを銅像に溶かした男の、資金回収手段がマッチ売り。しかも三単現の s まで落ちているので、売れているのかどうかも怪しい。
区切りの第90夜。本人は酔っていた。何が先に壊れて何が最後まで残るかが、丸ごと記録された夜。
「食うか食われるか」の3秒後に「広い海」。血の海の話をしていたのに、結論だけが青い海に着水した。
昨日ノートに書き取った動画のセリフが、翌日そのまま口から出た夜。主語まで同じだった。
06-28、07-11、そして今夜。3度目である。07-11 のときは直後に自力で直せたので、今回のほうが悪い。
必ず来ると分かっているのに誰も備えない、という話を25分して、その間ずっと同じことを英語で実演していた夜。
通勤の話が散歩の話になった。しかも同じ文の中で住所が埼玉から東京に移り、また戻っている。12語で3回引っ越した。
人はもう要らないと言い切った男が、その直後から25分、人の話しかしなかった夜。
否定が2枚並んで、悟りの宣言が「外の出来事に振り回されます」に反転した。第83夜と同じ型、48時間ぶりである。
事実を8日かけて直してきた男が、英語では「それ」を4回落とした夜。
立場の話をしようとして文法用語になり、憎しみが未解決事件として捜査対象になった。言いたかったことは全部正しい。語が3つずれただけである。
**容態が単身赴任に出た。** 場所を聞かれた先生は、容態の現在地を答えるべきか一瞬迷ったはずである。
**雷への求愛で動詞が3連スタッタ。** ちなみに「脳は5〜10%しか使われていない」という根拠も添えられたが、これは神経科学が20年前に否定した俗説である。願望も根拠も感電している。
自作のAI新聞を持ち込み、シェイクスピアをローマ字で読み、先生の語彙を2秒で盗んだ夜。
**ビジネスモデルの核心を見抜いた瞬間に、a が1枚落ちた。** 大事なことを言うときだけ文法が揃う男の、今夜は逆が出た。洞察と冠詞は両立しない。
8月11日は山の日である。**自国の祝日かどうかを、スペインの村にいる先生に確認した。** しかも根拠も外注した。