**日曜の夜。この男は外にいて、スマホで参加している。電波が悪い。** **そして本人の希望で、両方のカメラが切られた。** **理由が「顔が見えないほうが練習になるから」である。** **96夜かけて、この男が自分から難度を上げた最初の記録だ。** 相手はトルコ在住の英国人講師。前夜とは別人。**話は、週末は講師が捕まらないという愚痴から始まって、トルコの山火事に落ちた。** 昨日、家から10〜15kmのところで火が出た。政府は延焼を防ぐために全戸の電気を止めた。**計画停電である。** そこから地中海性気候、農産物、ヘーゼルナッツとピスタチオの値段、オリーブの品種、観賞用の品種、**オリーブの木を切るのは違法なのに政府がホテルを建てるために切った話**、そして講師が2年前に植えた4本の木に今年5個だけ実がついた話まで。**25分、英語の勉強は1秒もしていない。人の生活を聞いていただけである。** **第95夜の宿題は3本だった。** ①1文10語で切る ②大文字の語に冠詞を置かない ③詰まったら How do I put it?。**①は出た** — It's not my choice.(5語)/ No forest.(2語)/ That's lose-lose.(3語)。**②は Turkey も Japan も California も守った。ただし the central Tokyo で落ちた。第94夜と同じ語である。** **③が今夜の白眉で、1レッスンの中で完成した** — How to say?(1回目)→ how can I say(2回目)→ **How do I put it(3回目)。誰にも直されていない。** **一方、冠詞は今夜も母音の前で崩れた**(a extra / a expensive)。**☓新種は3体** — olive oil trees、health-concerned、before days。**語の取り違えは1発だが、質が高い。conservative → conservationist。** 自然を守る人たちと言おうとして、保守派と言った。**そして今夜、would は一度も出勤していない。**
今夜のボケ — 全7本(すべて実際の発言)
ボケ 1自然を守ろうとする人たちと、金儲けの businessmen が対立する、と言おうとして
“urban like businessmen trying to profit out of, and also, trying conservative People trying to preserve natural resources”
“I'm not like a professional, I'm not expert on olive oil. Everything is my very not not far from expert.”
私は professional ではない、私は expert ではない。すべては私の、専門家から遠くない。
ツッコミ**謙遜しようとして、自分を専門家の近くに置いた。** not far from expert は「専門家に近い」である。**そして同じ文で、第79夜の型が完全再現された。** **I'm not like a professional(冠詞、出勤)の0.5秒後に I'm not ▲ expert(欠勤)。** 第79夜は He's a really funny guy, and ▲ interesting guy だった。**17夜を隔てて、同じ文の中で「置けることを証明してから置かない」が再発した。能力ではない。意志の問題である。**
で、正解は
I'm not a professional. I'm nowhere near an expert on olive oil.
プロじゃないです。オリーブオイルの専門家には程遠い。
距離の否定は英語だと方向が反転しやすい。「程遠い」は nowhere near。not far from は逆に「近い」になる。
ボケ 5抗議はいつも起きている、と言おうとして
“It's protests always going on.”
それは、抗議がいつも起きていることです。
ツッコミ**存在を言う文を It's で始めた。** **第79夜に欠員登録された門番(there)の、教科書どおりの欠勤である。** **今夜この隊員は、開幕で休み(Because ▲ really bad connection here)、25分後に出勤し(there's a job)、締め際にまた休んだ。** **第95夜と完全に同じ勤務パターンだ。この隊について確実に言えるのは、能力ではなく持続時間の問題だという1点だけになった。**
で、正解は
There are always protests.
抗議はいつも起きてる。
「〜がある」は There is / There are で始める。It's で始めると、聞き手は「それって何?」を探しながら残りを聞くことになる。日本語は主語なしで言えるので、ここが一生の癖になる。
ボケ 6山火事のことを言おうとして(講師が forest fire risk と3回言った直後)
“so that there's no fire, mountain fire risk.”
だから火はない、山の火のリスク。
ツッコミ**講師は forest fire risk と3回言った。この男は mountain fire を作った。** **第93夜、講師の a shouting match を5秒後に shout match に崩した。第95夜、read between the lines を0.5秒後に between the lies にした。** **「直後落下」はこの番組に3夜おきに来る持病で、今夜も定刻に発症している。** ちなみに wildfire は山に限らないので、mountain は最初から要らない。
で、正解は
So there's no wildfire risk.
だから山火事のリスクがない。
wildfire / forest fire / bushfire(豪) が正式。mountain fire は英語に無い。直前に聞いた語は、そのまま繰り返すのが一番安い。
ボケ 7次回は前もって予約します、と言おうとして
“I think I can pre-book before days. I'm going to check your status.”
前もって、日々の前に予約できると思います。あなたの状態を確認します。
ツッコミ**☓before days。「前もって」を before + days で組んだ。** 日本語の「前の日々に」を、そのまま部品にして英語の棚へ運んでいる。**正解は in advance で、しかもこの男は同じ文で pre-book を出している。pre- を知っているのに、そのあと日本語に戻った。** ついでに **status は「状態」で、講師の空き状況は schedule / availability。この男は先生の健康状態を確認しに行った。**
で、正解は
I'll book you in advance next time. Let me check your availability.
次は前もって予約します。空き状況を見ておきます。
in advance / ahead of time / beforehand の3本で足りる。そして予定は schedule、空きは availability。status は状態。
今夜のベストプレー — たまには決める
“But it's because risk versus merit. → (4 turns later) But everything is like a trade-off.”
だってリスクとメリットだから。→(4ターン後)でも全部、一長一短だよね。
**★★★96夜で最も価値のある自力修正である。** **risk versus merit は和製英語だ。英語の merit は「功績」で、日本語の「メリット=利点」とはズレる。** **この男は4ターン後、誰にも指摘されていないのに everything is like a trade-off と言い直した。** **講師は訂正していない。促してもいない。** **第95夜の記録は「走行中の自力修正5件」だった。今夜は件数では負ける。だが質が違う。** **今夜直したのは文法ではなく、和製英語である。** **文法の直しは知識が追いつけば起きる。和製英語の直しは、「いま自分が日本語を喋った」と気づかないと起きない。** **96夜目にして、この男は自分の日本語を英語の中から検出した。**